2日目 [ラダックのレーへ] (7/18)
午前4時に起床。レストランにて昨夜遅く関空から香港経由で到着した関西組の参加者7名と初顔合わせ。トーストなどの簡単な朝食を取って、デリーの国内線の空港に移動する。飛行時間は1時間ちょっとだけど、きちんとした機内食が出た。
これはベジタリアン向けのカレー。朝だったからマイルドにしてみた。
レー (Leh)
デリーの空港で預けた荷物が飛行機に積まれていなかったというハプニングに遭遇。僕だけではなくツアー参加者全員の荷物を含む数十個の荷物が無かった。「もう荷物はないよ、何か?」という感じで手をふる係官の仕草が忘れられない。ツアーで良かったと心から思った。添乗員のNさんは大変だったと思う。。ちなみに荷物は翌朝届いた。
現地ガイドのスタンジンさんと合流して、いよいよラダック最大の街であるレーへ。まず最初にホテルにチェックイン。
Namgyal Palace Hotelというところ。見た目新しいホテル。
部屋からの風景。ちなみにここで標高3500mぐらい。急いで階段を登ろうとするとすぐに息切れがする。
ホテルの前の通り。地方の静かな道という雰囲気の写真だが、これは朝だから。。実際には車はひっきりなしにクラクションを鳴らしながら通り、牛がフリーに闊歩する。
真ん中に写っているのは、ラダック王国のかつての王宮跡。17世紀前半、センゲ・ナムギャル王によって建てられた。西チベットにあったグゲ王国を占領したり、ザンスカールを併合するなどして、レーを中心とするラダック王国の勢いが非常にあった頃のもの。右の小高い山にはお寺が見える。今回のツアーではどちらにも行っていない。
休憩でお茶した時に撮った写真と動画。右端にイスラムのモスクが見える。仏教、ヒンズー、イスラムが狭い街に同居。生活に密着している宗教を否応なしに見せつけられる。動画をクリックすればyoutubeのサイトに飛んで、HD品質を見られると思う。しかし、縦長で撮影したのでありがたみはゼロだ。。大失敗。
旧市街を歩く。街の入口のトンネル。左が観音菩薩で、右が弥勒菩薩らしい。川崎先生が非常に分かりやすく教えて下さる。
このような二階建ての建物もあちこちで見かける。左の黄色が文殊菩薩。真ん中の白色が観音菩薩。右の青色が金剛手菩薩。よく見るとそれぞれの色で何か文字が柱に書いてある。こういう文字が読めれば面白いかなあと思って、iPhoneのチベット文字の学習アプリを購入したけれど、全く身につかなかった。。
昼食はチベット料理。
これはトゥクパだっけなあ。かなりの薄味。練り唐辛子を大量投入すると美味しい。あと、モモと呼ばれる餃子を食べる。
午後からいよいよ車5台に分乗して寺院めぐり。
途中、インダス川がよく見える撮影ポイントに立ち寄る。来てよかったなー、と思った瞬間。このように水があるところだけ緑がある。
グル・ラカン(Guru Lhakhang)
ピャン(Phyang)村。この後訪れる多くの村がそうあるように扇状地となっている。「風の谷」だなあ、と一人で感動する。
小高い丘をぜえぜえいいながら登ると、今回の旅の最初のお堂にたどりつく。グル・ラカン(Guru Lhakhang)だ。15世紀ごろの創建らしい。
最初に目に飛び込んできた壁画。ヘーヴァジラという守護尊。赤色を基調として、ギザギザ眉毛に火焔、というサキャ派の様式に則っているようだ。8人の茶吉尼に囲まれている。サキャ派については後述。ここのお堂は他にも薬師如来、釈迦、阿弥陀如来、持金剛、ターラー、大黒天などなどそろい踏み。ここには是非もう一度行きたい。
ピャン寺 (Phyang Gompa)
16世紀後半の創建。カギュ派。千手観音などいろいろあったのだが、グル・ラカンで少し興奮しすぎたせいか疲れて、あまり写真を撮っていない。印象的だったのはゴンカンと呼ばれる護法堂。お寺を守るための忿怒尊が祀られている。動物の剥製も中にぶらさがっているし、とても気安く写真を撮れる雰囲気ではない。
カギュ派には詩人としても有名なミラレパが属している。カギュ派自体がいろいろ分立しているのでややこしい。詳しくはこちら。
wikipedia:カギュ派 wikipedia:ミラレパ
時代的には11世紀頃なのでそんなに古い話ではないのでは?と思う日本人もいるかもしれない。実は僕もそうだった。空海が中国から日本に密教をもたらしたのは9世紀初頭で、学術的には中期密教と分類される。ラダックをはじめとするチベット文化圏にはインドの後期密教が直接伝えられた。そのため、日本ではあまり見かけない仏や美術様式がこの地には生きていて、それが魅力的なのだと思う。日本でもこの時代に浄土宗や禅宗など鎌倉仏教が花開いたので、両方分かる人が比較すると面白いかもしれない。
このあと、ホテルに戻って夕食。夕飯は中華料理だったかな?台湾から20人ぐらいの観光客が来ていたためだろうか。台湾ではチベット仏教が人気あるらしい。昔、清はチベット仏教を国教としていて、清が崩壊した際に多くのお坊さんが台湾に移動した。道理で静かな人たちだと思った。。
就寝。この夜はつらかった。ダイアモックスという高山病の予防薬を飲んでいるのだが、呼吸が苦しくなって何度も目が覚める。ちなみにこのダイアモックスというのは、処方せんが必要な面倒くさい薬。僕は近所の内科で出してもらった。副作用として利尿作用や手足のしびれを感じる場合がある。次の日の夜からは、半錠ではなく1錠まるごと飲むようにしたら気絶したように眠ることが出来るようになったがあまりオススメできない。服用するとかえって眠れなくなるという方もいらっしゃった。