3日目[上ラダックその1] (7/19)

6:30に起床。昨日、国内線に積み込まれなかった荷物をホテルで待ったため、出発は10時頃だったかな。寝不足などの疲れが解消されたので、のんびりできて良かった。

シェイ (Shey)

16世紀にレーにラダック王都が遷都する前に都があったところ。8世紀半ばの吐蕃の崩壊の混乱の後、10世紀にラチェン・パルギゴンがシェイに都をおいた。シェイとは水晶の意味。
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昨日のピャン寺の写真と何が違うのか見分けるのが難しくなってきたかもしれない。。
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8個の仏塔がある。チョルテンと呼ぶ。8つの聖地を表している。ほとんどのお寺にあった。
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シェイ寺の壁画で、これは獅子吼観音(センゲータ)。珍しいらしい。
大乗仏教の祖とされるナーガールジュナや、他にもお釈迦さん、持金剛、阿弥陀如来などもあった。

ティクセ寺 (Tikse Gompa)

15世紀半ばに創建。ゲルク派ゲルク派チベット最大の宗派。成立は新しく14世紀で、ツォンカパが開祖。ダライ・ラマはこの宗派。ツォンカパの本性は文殊菩薩とされている。ちなみにダライ・ラマ観音菩薩の化身とのこと。あと、黄色い帽子をかぶっているお坊さんが描かれていたらゲルク派
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ティクセ寺の全体像。でかい。基本的に白色のところはたぶん僧房で、茶色がお堂。自動車でこの写真の後ろに回り込むとチョルテンがあった。お寺の中にレストランがあるのでお昼ごはんはそこでカレーを食べた。
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中庭にあった護摩壇。詳しくは忘れてしまったが、良いことをお祈りするときと呪い系とで護摩を焚く向きが異なるようだ。
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六道輪廻図。人間道、天道、修羅道、餓鬼道、地獄道畜生道。真ん中の円にある鳥・蛇・豚は、それぞれ貪瞋痴(とんじんち)の三毒を表す。多くのお寺のお堂の入り口にはこの六道輪廻図と四天王(多聞天増長天持国天広目天)が描かれていた。
お堂の中の写真はあまり撮っていない。ゲルク派の守護尊であるヤマーンタカがゴンカン(護法堂)にあった。ここのゴンカンも異様に怖かった。
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弥勒菩薩の大仏像。大きいよ。2階建ての建物の2階から参拝している。1980年に完成したようだ。
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大仏像の裏の壁画には如来の形をした弥勒が描かれている。水瓶を持っているのが弥勒像のポイント。水瓶には伝法の継続という意味が込められているらしい。

スタクナ寺 (Stakna Gompa)

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インダス川を超えてスタクナ寺へ。スタクナとは「虎の鼻」の意味。川を超えて、ぽつんとある小さい山の上にある。
スタクナ寺はカギュ派の一つであるドゥクパ派である。4日目に訪れるヘミス寺もドゥクパ派だが、本によると"別系統(ブータン系)"とある。なのでドゥクパ派の説明はヘミス寺で。
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これはなんだろう。。誰か教えてください。。マハーカーラ(大黒天)の一種? でも羽が生えているしなあ。。楔が強烈。
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チャクラサンバラという守護尊。この後の写真で出てくるカーラチャクラとの見分け方のポイントは左手に持っている梵天の首。女性パートナーと明らかに合体している。
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持金剛。腕を交差させて金剛杵と金剛鈴を持っているのが特徴的。

マト寺 (Matho Gompa)

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ラダック地方唯一のサキャ派の寺院。サキャ派は中国の元朝との密接な関係が特徴的。当時、チベットは軍事的にはモンゴルの支配下にあったが、チベット仏教国師に推戴されて王権儀礼を演出したらしい。チベットにサキャ寺という総本山がある。
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メモ書きには、カルキグンポ、サキャ派の守り神と書いてあるけど、、さて? 二日目のグル・ラカンで見たようなゲジゲジ眉毛に火焔がサキャ派の美術様式を伝えている、と言っていいのかな?
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メモには記していなかったけれど、たぶん金剛界曼荼羅のタンカ。大日如来ではなく阿しゅく如来が中心にいるようだ。
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四面の大日如来。メモには一切知大日如来と記してあるけど、さて、、どうやって見分けるのだろう。。智拳印をしていないこと?
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ただの千手観音ではない。よく見るとすべての手に目が描かれているので、千眼千手十一面観音だと思われる。
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ヤマンタカ。このような守護尊はお堂の入り口付近に描かれていることが多い。
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新しいお堂の一切知大日如来。手に持つ丸い鏡は王を表しているらしい。周りのたくさんの仏像で金剛界曼荼羅を表している。このような新しい像が作られるほど、このお寺は豊かなのだと思う。どのようにお金がまわっているのかガイドさんに聞けばよかった。。
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マト寺からの風景。中心の下よりに、お昼ごはんを食べたティクセ寺が見える。

動画。山の地層が大変なことになっている。

これにて3日目のスケジュールは終了。ホテルでの夕飯はもう覚えていない。カレーかなあ。確かこの日の夜に、川崎先生による勉強会が開催されて、チベット仏教の歴史や代表的な人物、金剛界の五仏、といった説明をして頂いた。特に金剛界の五仏は、あとあと曼荼羅を見る上で非常に役立った。